ドラム知識

意外と多い!?ドラム缶の種類と特徴 -鋼製ドラム編‐

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見た目が一緒のドラム缶ですが、実はたくさん種類があるのをご存知ですか?ここでは一般的な鋼製ドラムの種類をお伝えします。

タイトヘッドとオープンヘッド

鋼製タイトヘッドドラム

鋼製タイトヘッドドラム(クローズドラム、クローズ缶、一般缶、密閉缶などと言われる)は天地板と胴板を巻締め、口金で密封したドラム缶です。主に液ものの内容物に用います。

鋼製オープンヘッドドラム

天蓋にガスケットを装着したドラムで蓋の脱着が可能なドラム缶、レバータイプのバンドや、ボルトタイプのバンドで胴体に締め付ける。主に高粘性液体、粉体、個体の内容部にもちいます。

塗装や鋼板の違い

一般ドラム

化学製品、潤滑油や樹脂、食品油脂等にもちいられることが多く、鋼製でできており、内面は防錆目的で化成処理が施される。化成処理にはリン酸亜鉛系とリン酸鉄系皮膜がある。

リン酸亜鉛系皮膜リン酸鉄系皮膜
皮 膜Zn3(PO4)2・4H2
Zn2Fe(PO4)2・4H2
FePO4・2H2O
γ-Fe2O2
外観形状結晶質・多孔質非結晶質
色 調廃白色~灰色黄金色から青紫色までの干渉色
化成処理皮膜の違い

内面塗装ドラム

金属との接触を嫌う化学製品、腐食性のある化学製品、及びファインケミカルなどに用いる。代表的な内面塗装の種類はフェノール系とエポキシフェノール系の2種類がある

  • 種  類:フェノール系
  • 塗料名称:4A
  • 塗料厚さ:12±5μ
  • 塗膜色調:茶色透明
  • 特  徴:塗装の透過性が少なく有機溶剤をおよび弱酸性に対する耐久性が良好。しかし、可撓性が悪いという欠 点がある。またアルカリ及び水の内容物には注意を要する。
  • 種  類:エポキシフェノール系
  • 塗装名称:E-90-NSP
  • 塗料厚さ:20+10/-5μ
  • 塗膜色調:黄白色
  • 特  徴:金属との密着性、可撓性がよく、弱アルカリに対する耐久性が良好で、洗剤、高級脂肪酸、エマルジョンなどに用いられる。

亜鉛メッキドラム

耐腐食性に富んだ亜鉛めっき鋼板で製造されたドラム、鉄素地の腐食環境を避け、フェノール、香料、ワニス等に用いる。

ステンレスドラム

鋼材の材質にステンレス鋼(SUS304、316、316L、430)を使用したドラムで、弱酸性、アルカリ、香料、原子力、医薬品等にもちいられる。耐久性、耐食性にがあるが、重量があり、高価になる

材質の違い

  1. SUS304  鋼材にクロム18%、ニッケル8%を組成された鋼(この素材が最も多い)
  2. SUS316  SUS304にモリブデンを3%ほど組成させた鋼
  3. SUS316L  SUS316よりカーボン量が半分以下の鋼
  4. SUS430  鋼材にクロム18%を組成させた鋼

板厚の違い

H級:天・地・胴が全て1.6mmの板厚で構成されたドラム

M級:天・地・胴が全て1.2mmの板厚で構成されたドラム

LM級:天・地が1.2mmで胴が1.0mmの板厚で構成されたドラム

L級:天・地・胴が全て1.0mmの板厚で構成されたドラム

LMD:LM級にダブルビートを付与したドラム

SL級:天・地の板厚が1.0mmで胴が0.9mmの薄板ドラム

FL級:天・地の板厚が1.0mmで胴が0.8mmの薄板ドラム

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