ドラム知識

危険物施設の一般取扱所の種類と特例

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

危険物施設の一般取扱所とは、指定数量以上の危険物を取扱う施設のうち、給油取扱所、販売取扱所、移送取扱所ではない施設のことをいいます。

位置、構造、設備の基準

製造所の基準に準ずる。

基準の特例

一般取扱所のうち下記に該当する一般取扱所には基準に特例があり、適合するものについては、危険物の規制に関する政令(危政令)の規定が適用しない。
※適応しない規定については各一般取扱所に記載

吹付け塗装等の一般取扱所

吹付け塗装等の一般取扱所は「塗装作業」「印刷作業」「塗布作業」のために危険物を取扱う一般取扱作業所で指定数の倍数が30未満のものをいいます。
適合するものについては、政令第 9条第 1項第 1号、第 2号及び第 4号から第 11号までの規定は、適用しません。

一般取扱所の基準の特例として

・一般取扱所は地階を有しない事・壁・柱・床、はり及び屋根(上階がある場合は上階の床)を耐火構造とする
・出入口以外の開口部を有しない厚さ70mm以上のRC造もしくは同等の構造の床・壁で区画されている
・窓を設けない・出入口は特定防火設備を設ける事
・延焼のおそれがあるい外壁との間に出入口を設ける場合は自動閉鎖の特定防火設備を設ける事
・床は危険物が浸透しない構造とし、適当な傾斜を付け、かつ貯留設備を設ける事
・危険物を取扱うために必要な採光、照明及び換気の設備を設ける事
・可燃性蒸気等が滞留する恐れがある部分にはその蒸気等を屋外の高所に排出する設備を設ける事
・換気の設備及び前号設備には、防火上有効なダンパー等を設ける事

洗浄作業等の一般取扱所

洗浄作業等の一般取扱所は、機械電子部品の引火点を有する洗浄剤による洗浄を行う為に危険物(引火点が40℃以上の第4類の危険物に限る)を取扱う一般取扱所で指定数量の倍数が30未満のものをいいます。
一般取扱所の基準の特例として

指定数量の倍数が30未満のもの
・危険物のタンクの周囲には囲いを設ける事<br>
・危険物を加熱設備には、危険物の過熱を防止することが出来る装置を設ける事

指定数量の倍数が10未満のもの
・壁、柱、床、梁及び屋根は不燃材で作られかつ、天井を有しない平屋建とする事
・設備は床に固定すると共に、設備の周囲を幅3m以上の空地を確保する事
・床は危険物が浸透しない構造とし、適当な傾斜を付け、かつ貯留設備を設ける事
・内部で発生した可燃性蒸気や微粉が設備の外部に拡散しない構造にする事
・可燃性蒸気や微粉を直接屋外の高所に排出する設備を設ける場合、防火上有効なダンバー等を設ける事

焼入れ作業等の一般取扱所

焼入れまたは放電加工のために危険物(引火点が70℃以上の第4類の危険物に限る。)を取扱う一般取扱所で指定数量の倍数が30未満のものをいいます。
適合するものに関しては、危政令第 9条第 1項第 1号、第 2号及び第4号から第 11号までの規定は適合しません。

一般取扱所の基準の特例として

指定数量の倍数が30未満のもの
・壁・柱・床、はり及び屋根(上階がある場合は上階の床)を耐火構造とする
・出入口以外の開口部を有しない厚さ70mm以上のRC造もしくは同等の構造の床・壁で区画されている
・上階がある場合、上階の床は耐火構造とし、ない場合にあっては屋根を不燃材料で作る
・危険物が危険な温度に達するまでに警報することが出来る装置を設けること。

指定数量の倍数が10未満のもの
・設備は床に固定すると共に、設備の周囲を幅3m以上の空地を確保する事
・床は危険物が浸透しない構造とし、適当な傾斜を付け、かつ貯留設備を設ける事

放電加工機には、次にあげる安全装置を設ける事
①液温検出装置:加工液の液温が設定温度を超えた場合に、直ちに加工を停止することが出来る装置
②液面検出装置:極間に炭化物が発生、成長した場合に、直ちに加工を停止することが出来る装置
③自動消火装置:加工液に引火したときに、自動的に火災を感知し、直ちに加工を停止させるとともに警報を発し、消化できる機能を有する装置

ボイラー等で危険物を消費する一般取扱所

ボイラー、バーナーその他これらに類する装置で危険物(引火点が40℃以上の第4類の危険物に限る)を消費する一般取扱所で指定数量の倍数が30未満のものをいいます。
適合するものに関しては、危政令第 9条第 l項第 1号、第 2号及び第 4号から第 11号までの規定は適用しません。

一般取扱所の基準の特例として

指定数量の倍数が30未満のもの
・地震時及び停電時にボイラー等の装置への危険物の供給を自動的に遮断する装置を設ける
・危険物のタンクは容量の総量が指定数量未満とするとともに、タンクの周囲に囲いを設ける事
指定数量の倍数が10未満のもの
・設備は床に固定すると共に、設備の周囲を幅3m以上の空地を確保する事
・床は危険物が浸透しない構造とし、適当な傾斜を付け、かつ貯留設備を設ける事

・壁、柱、床、梁及び屋根が耐火構造である建築物の屋上に設置する。
・取り扱う設備は、キュービクル式のものとし、高さ0.15m以上の囲いを設ける
・内部には危険物を取扱うために必要な採光、照明及び換気の設備を設ける
・タンクの容量は総計を指定数量未満とする事
・タンクの周囲に高さは0.15m以上の囲いを設ける事
・囲いの周囲に幅3m以上の空地を保有すること
・囲いの内部は、危険物が浸透しない構造とし、適当な傾斜及び貯留設備を設ける。場合によっては貯留設備に油分離装置を設置しなければならない

充填の一般取扱所

車両に固定されたタンクに液体の危険物(アルキルアルミニウム等及びアセトアルデヒド等を除く)を注入する一般取扱所を言います。
適合するものに関しては、危政令第 9条第 l項第 1号、第 2号及び第 4号から第 12号までの規定は適用しません。

一般取扱所の基準の特例として

・壁、柱、床、はり及び屋根を耐火構造都市、窓及び出入口に防火設備を設ける
・窓及び出入口にガラスを設ける場合は、網入ガラスとすること
・2方以上は、通風のため壁を設けない
・タンクに危険物を安全かつ円滑に注入できる広さを有する空地を保有すること
・空地には、漏れた危険物が浸透しないための舗装を行う事
・危険物及び可燃性の蒸気が滞留せず、空地以外の部分に流出しないように措置を講じる事

詰め替えの一般取扱所

固定した給油設備によって危険物(引火点が40℃以上の第4類の危険物に限る)を容器に詰め替え、又は車両に固定された容量4000リットル以下のタンクに注入する一般取扱所で指定数量の倍数が30未満のものをいいます。
適合するものに関しては、危政令第 9条第1項(第3号、第17号及び第21号を除く。)の規定は適用しません。

一般取扱所の基準の特例として

・容器の詰め替え、タンクに注入するための空地であってア、イに定める広さを有する事
ア:危険物を容器に詰め替えるための固定注油設備・・・・容器安全に置くことが出来、円滑に詰め替える事ができる広さ
イ:危険物を車両に固定したタンクに注入するための固定注油設備・・・・タンクを固定した車両が空地からはみ出さずかつ、安全かつ円滑に入注することが出来る広さ
・空地の地盤面は周囲より高くするとともに、コンクリート等で舗装する
・漏れた危険物その他の液体が当該空地以外の部部に流出しないように排水溝及び油分離装置を設ける事
・周囲には高さ2m以上の塀または壁を設ける事
・出入口には防火設備を設ける事

油圧装置等を設置する一般取扱所

危険物を用いた油圧装置又は潤滑油循環装置を設置する一般取扱所で指定するの倍数が50未満のものをいいます。
適合するものに関しては、危政令第 9条第 l項第 1号、第 2号及び第 4号から第 11号まで、第18号、第19号の規定は適用しません。

一般取扱所の基準の特例として

・壁、柱、床、はりおよび屋根が不燃材料で造られた平屋建てに設置する
・危険物を取扱う設備は床に固定するとともに3m以上の空地を保有すること
・床は危険物が浸透しない構造とし、適当な傾斜を付け、かつ貯留設備を設ける事

切削装置等を設置する一般取扱所

切削油として危険物を用いた切削装置、研削装置その他これらに類する装置を設置する一般取扱所で指定数量の倍数が30未満のものをいいます。
適合するものに関しては、危政令第 9条第 l項第 1号、第 2号及び第 4号から第 11号まで、第18号、第19号の規定は適用しません。

一般取扱所の基準の特例として

・危険物を取扱う設備は床に固定するとともに3m以上の空地を保有すること
・床は危険物が浸透しない構造とし、適当な傾斜を付け、かつ貯留設備を設ける事

熱媒体油循環装置を設置する一般取扱所

危険物以外の物を加熱するため危険物(高引火点危険物に限る。)を用いた熱媒体泊循環装置を設置する一般取扱所で指定数量の倍数が 30未満のものをいいます。
適合するものに関しては、危政令第 9条第 l項第 1号、第 2号及び第 4号から第 11号までの規定は適用しません。


一般取扱所の基準の特例として

・危険物の体積膨張による危険物の漏えいを防止することができる構造のものとすること。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントを残す